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遠山に雲浮かぶ

利尻       F6海上から次第に大きくなる利尻富士はとんがって単独峰のように見えました。丸い島を回ってゆくと、複数の嶺と稜線の複雑で味わいのある山の姿が露わになります。海からの利尻山は子供っぽくて描く気にはならないが、ここからのはいい姿でしょう。夏旅の覚めて時計の刻みかな         しの...

北の漁村

北海道稚内の海岸にて     F6堤防も波消ブロックもない強風の海岸に家は列をなして建っています。しかし、通を歩く人影はありません。猫もいません。犬の声さえありません。ここは廃墟と聞かされれば納得するほどです。まるで生活感がありません。動くのは強風にたわむ草ばかりです。心してじゅん菜汁の阿弥陀かな             健二ザリガニもラムネのように飲むコサギ        しの...

猫が道を譲ってくれた日

和田堀公園に沿って     F6公園をはずれた住宅街で一匹の猫に出合いました。やや小さいが子猫ではなく、ブランド猫でもない。その猫が平然と下って来る。私は登る。道は細く、行き交うのは楽ではない。さてどうなったと?ほの暗き浮葉の蔭の群れめだか          健二梅雨晴れや猫が譲ってくれた径          しの    猫は山側の生垣に寄り添うように身を引いて立ち止まり、恐れるでもなく、静か...

杉並の樹のある風景(11)

善福寺川緑地    F6どう画けばいいのか分からぬままに。にょきにょきと真っ直ぐ伸びているメタセコイアです。緑っばかりで閉口です。真っ赤っかな服の点景人物を入れるべきでしたね。木苺を左右見渡し摘みて食む         健二川に延びメタセコイアの日陰かな       しの初めての稚拙な短歌句の会に柳絮の才の現れて絹のことのはたわやかぞ嬉し...

杉並の樹のある風景(10)

杉並区のある公園で     F6スケッチ教室の皆さんなら、どこを描いたのかわかるでしょう。多彩な緑と建物の赤みの絶妙な風景。私は何度も描いています。蜘蛛屋敷陣取り競う世界地図           健二タクシーの窓に足出す昼寝かな          しの...

立葵のはかない命

杉並区荻窪    F6再開発で整地された束の間に、はびこる雑草に混じって背高く葵が咲いていました。明日からでも掘り起こされるのでしょうか、ブルドーザーのキャタピラの脇に恐れげもなく立つ。余命僅かの花の憐れです。染み渡る老鶯の音身近なり            健二キャタピラの踏み敷くまでは立葵        しの...

杉並の樹のある風景(9)

和田堀公園の淵    F6「緑に茶色なんか混ぜるもんじゃない」とのきついアドバイスが寄せられました。この緑には茶色もオペラも混ぜていません。科学を学んだ端くれとしてはですね、試すことはひとつひとつ。実験を数値で読めないところが癪の種。浮かれ出た蛇の赤子や力つき       健二行く水の暗渠となりて桜桃忌         しの暗渠=あんきょ・地中に埋設された導水路桜桃忌=おうとうき・太宰治の命日...

杉並の樹のある風景(8)

善福寺川緑地の淵    F6これでも樹木の陰を工夫したつもりです。こうして見ると描いた本人の眼にも変わり映えしませんが、鉛筆の線の使い方や色付け順序を初めての方法で。古希過ぎて歩む姿や春の亀            健二CD替へて耳のむさぼる午睡かな        しの...

杉並の樹のある風景(7)

善福寺川緑地    F6昨日は調布教室。京王フローラルガーデン・アンジェで打ちのめされてきました。木がゴチャゴチャで描きづらいこと、描きにくいこと。「樹の葉は塊でとらえる」を復習しなくてはなりませんが、この絵は塊にしすぎたようで、葉っぱらしい質感がありません。打ちて滲みし赤は藪蚊のものならづ...

柴又に音は渡る

柴又帝釈天の鐘楼     F6数日横着をして絵のストックが無くなったので、構図に難点の絵も出馬させることにしました。妻の居ぬ窓いっぱいの夏椿...

杉並の樹のある風景(6)

太田黒公園      F6梅雨の中休みに。曇りのせいで絵にも陰影が足りません。近景に東屋の屋根をちょっと入れてみました。それで左右の均衡も取れたようです。中村草田男に「冬空をいま青く塗る画家羨まし」があります。羨やまれるほど楽ではないのです。びっくりですが、教室の仲間のひとりが中村草田男の師事を仰いだというのです。それこそが、なんとも「羨ましい」梅雨晴れや握る手熱き庭箒       箒=ほうき...

杉並の樹のある風景(5)

杉並区善福寺川緑地     F6樹木の陰を最初に塗りました。全部色つけした後、全体の調子を整えるつもりで濃い緑を足しましたが、うむ、やりすぎでした。これも経験です。揚羽蝶ひとつ回って吹かれけり...

杉並の樹のある風景(4)

善福寺川緑地     F6梅雨の季節のうんざりにも嬉しいことがあり、紫陽花はそのひとつです。緑の陰を最初に塗ったのですが、全体を彩色した後でも少し足しました。紫陽花の径に媼銀の髪 (あじさいのこみちにおうなぎんのかみ 媼=老女)...

杉並の樹のある風景(3)

杉並区・善福寺川にそって     F6梅雨の晴れ間、和田堀公園のひょうたん池に紫陽花が咲いている筈と。スニーカーを泥んこにして帰ると、腕白坊主とからかわれてしまいました。梅雨晴れやペダルぬかるむ池あたり       しの...

杉並の樹のある風景(2)

杉並区・ある神社の境内     F6樹木ごとに色を変えてみようとして、最初の色は慎重に樹の個性を出しています。ところが、それ以降の濃淡や陰影を塗ると、最初の色の違いが没してしまいます。次の絵は濃い色から塗ってみようと思います。大樹より少女のひとあし白い靴        しの...

杉並の樹のある風景(1)

杉並区和田堀公園      F6梅雨時の外出できない時期は苦手の樹木を克服するにいい機会と、樹木が主役の写真を写しておきました。そうそう簡単に上手くなれるはずはありません。やれやれ木だよ、嫌だなあ、という苦手意識を無くしたいんです。園児らの声過ぎ夏の草ばかり        しの...

甍の小波 

葛飾区・柴又・山本邸(甍=いらか)    F6帝釈天の裏を探りながら江戸川に出ようと迷っていたら、どうぞ通り抜けてくださいな、と。こじんまりした日本庭園を素通りして長屋門を抜け、江戸川の堤防へ登りました。振り返って見下ろすと、そこに都会にあっては感動の風景が。墨にほふ母の奈良筆走り梅雨         しの...

道路は堤防に沿って

江戸川金町付近    F6柴又の矢切の渡し付近は絵にするには風景が平らすぎて難しいだろうとは思ったのですが、堤防に沿って歩いていると、いくらでも描きたくなりました。一枚描いたところで、飲料が尽き熱中症にならないうちにと、鉛筆スケッチを何枚か描いてひきあげました。掛け時計少し遅れて走り梅雨      しの...

取水塔

金町浄水場・取水塔     F6江戸川からこの取水塔で取り込まれ、浄化された水を都民である私も飲んでいるのでしょう。取水塔はこの上流にもう一つあり、そちらの屋根は丸いドームではなく三角に尖がっています。蜜柑葉に卵置きたるか揚羽蝶        しの揚羽蝶・アゲハチョウ...

江戸川見晴らす

江戸川・柴又の矢切の渡し付近     F6周囲がビルばかりの環境に生活していると、川と広い河川敷は開放的でいい気分ですが、暑いこと暑いこと。折り畳みの雨傘をさし、堤防の草に座って。もう少し高いところからは筑波山が見えるでしょうか。鵜が潜る水藻に満ちた菖蒲かな       健二健康は義務よと妻の衣更え           しの...

陽ざし強くなる

杉並区成田      F6採茶庵仙台堀のめだかかな        健二仙台堀にあった採茶庵(さいとあん)から芭蕉は奥の細道へと旅立ったのです。その日、芭蕉もめだかを目にしていた、ということも。(仙台堀は現在の江東区仙台堀川)予報士の湿りたる声梅雨と云ふ      しの...

緑が濃くなりましたね

杉並区善福寺川    F6季節は待ってくれません。裸木が新緑をまとったのは束の間、早くも夏の濃い緑に衣更えをすませた真夏日の善福寺川です。護岸の雑草の勢いのすざましいこと。ヤブガシラ抜いても摘めども伸びにけり        健二この川の行きつく処五月尽く                   しの...

Appendix

プロフィール

Author:S.Y.Seasonword
よみうりカルチャー恵比寿で花城康雄先生のご指導で修業中。蒼花同人

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