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あるビルの谷間 の続き

前回の早描きに彩色途中で20分。タイムアウト神田祭小若の白きはだし足袋      摩耶子御供米の名の橋わたり祭笛        臣汰...

あるビルの谷間

東京のとあるビルの谷間しばらく早描きの練習をしてみようと思います。ちょっとでも面白そうな景色にはどんどんシャッターを切っているうちに、風景の切り取り方が多少はマシになったと思っています。ところがそのカメラを紛失してしまいました。カメラは諦めるが、沢山の写真の修めたSDカードがあきらめきれません。梅雨明の疣は絶叫して伸びる...

代官の台所

世田谷区上町の代官屋敷跡雪どけの夕張川の岩を噛む     摩耶子短夜のあけゆく空と波がしら      臣汰...

インドカレーの店

東京大田区・池上本門寺界隈奏楽堂に朗読を聴く十三夜      摩耶子東京芸術大学奏楽堂でしょうか。何の朗読かを聞いたのですが失念しました。季語「十三夜」の斡旋が絶妙に響く佳句と思います。山羊の目の焦点おぼろ吹流し     臣汰山羊や馬のような草食動物は肉食獣を察知しやすいように瞳孔が横長に開いています。草原を広く見渡しているのです。猫や虎のような肉食獣の瞳孔は縦に長くて、獲物に狙いをつけやすいのだ...

一束百円

東京・大田区 ある寺の桶置き場・墓参り用線香一束百円との張り紙川幅に風の時間差鯉のぼり     臣汰鯉幟は都会では絶滅危惧種。めったに見かけません。用済みの鯉幟はどこぞに引き取られ大河に渡したワイヤーロープにつながれて川幅いっぱいに泳ぐことになる。一斉に同じ方向に泳いではいても、風の強さによってなびき方が違います。川幅に亘る風の吹き方を時間差ととらえるのも一興。...

本門寺お休み処

東京・池上本門寺風薫る園遊会のハンドベル     摩耶子句会では見過ごしました。もともと選句を苦手としているのですが、園遊会の意味は知っていても実体験がないためにピンと来なかったのです。分かっている人からは絶賛のあらし。母校の名門女子大学で催された園遊会とか。遅ればせながら佳句と認めざるをえません。まくなぎや微動だにせぬ大道芸   臣汰まくなぎは別名「めまとい」といって、顔の前をうるさく飛び回る小...

べんがら色の多宝塔

東京・池上本門寺ひそやかに朝の湖漕ぐ蜆舟      摩耶子しじみで有名な宍道湖に立ち寄ったのはこの句を知った後のこと。聞くところによればエンジン付きの舟で機械引きという漁が主流らしいので、記憶を遡って詠まれたと思われます。観光ポスターの標語になりそうな佳句。弓引けば的のあはひを飛花落花    臣汰...

門前商店街の一角

東京・大田区池上涅槃図の片隅に猫見つけたり   摩耶子涅槃図(ねはんず)は釈尊がさらそうじゅの下で涅槃に入る時の図で春の季語です。お釈迦様がお亡くなりになるのを弟子や菩薩や動物が泣き悲しむさまを描いた絵のその片隅に至極小さく描かれた猫を見つけた感動。猫に向ける目がやさしいですね。さへづりを双眼鏡の中に聴く    臣汰...

ぎざぎざの空

東京・路地奥の明治狐忠信のごとく猫現れ寒椿     摩耶子狐忠信(キツネタダノブ)は人形浄瑠や歌舞伎「義経千本桜」の登場人物で実は狐。自分の親の皮を張った鼓を静御前が持つと知って、佐藤忠信の姿に化けて旅を共にし静を守る。飼い主ではない作者の縁側にしばしば現れるとか。作者に寄り添っているのでしょう。桃色の付録の句帳チューリップ    臣汰...

あぶみ坂

東京本郷あたり春場所の俵に耐へて土踏まず...

Appendix

プロフィール

Author:S.Y.Seasonword
よみうりカルチャー恵比寿で花城康雄先生のご指導で修業中。風景淡彩画というよりイラストだと言われることも。蒼花同人。俳号を臣汰と申しますが、まだまだ駆けだし。

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